柴田史郎です。
あるフランチャイズチェーンの新規店舗用の物件を獲得する方法が
面白かったのでご紹介します。

ミッション:「ある蕎麦屋を説得して新規店舗を出店せよ」
[STEP1]まずは蕎麦を毎日食べる。
最初に蕎麦屋を訪問するのは「フォワード部隊」と呼ばれます。
大学時代にはアメフトなど、体育会系に所属。
何事にも動じないタイプで、
素直な方々が10名ぐらいでフォワード部隊を構成しています。
彼らは、自社の事業内容なども余り把握していないようですが、
そんなことはどうでもいいんです。

↑イメージ図。素直でいい人。あんまり何も考えないタイプ?鈍感とも言う。
さて、ある日、フォワード部隊の一人が、
上司から「あの蕎麦屋に行って毎日3食蕎麦を食べて来い」
といわれます。
フォワード部隊Aさんは、目的も分からずに
毎日蕎麦を食べに行くそうです(素直ですね)。
毎日、午前、午後、夕方の3回やってくるお客さんですから、
蕎麦屋のご主人も顔を覚えます。
元体育会系なので、食べっぷりも良く、
長くても3週目には「蕎麦が好きなんだね」と
ご主人から声をかけられるようになるそうです。
『ええ、毎日食べにいけって言われてるんです。』
と微妙にすれ違う返事をしてしまうフォワード部隊のAさん。
顔を覚えられても会社のことは話しませんので、
(というか、Aさんが目的を理解していないので)
もちろん蕎麦屋にとってはただの良いお客様です。
ただ、さすがにそのまま3ヶ月を過ぎてくると、
本当に毎日毎日蕎麦ばかりで、
フォワード部隊のAさんも嫌になってきます。
上司に相談しても、「いいから食べに行け」と言われるばかり。
素直なAさんは、我慢して毎日毎日蕎麦を食べに行ったそうです。

↑どんなに美味しい蕎麦でも毎日3食はつらい。
[STEP2]正体を明かす。
どんなに美味しいお蕎麦でも、
3ヶ月毎日3食も食べ続けると拒否反応が出てくるようで、
そのうちフォワード部隊のAさんは、
蕎麦を食べながら涙を流すようになってきます。
驚くのは蕎麦屋のご主人。(もちろん奥さんも)
ご主人「どうして泣いているんだい?」
Aさん(泣きながら)「わからないんですけど、蕎麦を食べていると涙が出てくるんです。」
Aさん、なぜ自分が蕎麦を食べると涙が出てくるか、わからないようで。
ご主人「具合が悪いんじゃないの?」
Aさん(泣きながら)「いえ、大丈夫です。でも、蕎麦を食べると涙が出てくるんです。」
奥さん「でも、そんなに毎日蕎麦ばかり食べていたら、当たり前じゃないの。別のものも食べてるの?」
Aさん(泣きながら)「いえ、先輩から蕎麦を毎日食べに行けって言われているので、食べないとダメなんです。」
意味が理解できない、蕎麦屋のご主人と奥さん。
そりゃそうです。
体格のいい若者が毎日蕎麦を食べにきているだけですからね。
奥さん「毎日そばを食べさせる会社って、どんな会社なんだよ」
とAさんの会社に蕎麦屋のご主人や奥さんが興味を持ちはじめました。
Aさんは会社名を知らせるために名刺を出します。
名刺には、とあるフランチャイズチェーンの社名。
そして、所属は「店舗開発部」。
蕎麦屋は駅前にあり、とてもいい立地。
さまざまな会社が出店依頼に来るような場所ですので、
その名刺を見た瞬間にご主人も奥さんも気がつくようです。
「こいつも、今までの奴らと同じか。」
蕎麦屋をやめる気のないご主人にとって、
彼らは迷惑以外の何者でもありません。
ここで態度は急変し、
「二度と来るな!」と追い出されるAさんなのでした。
[STEP3]それでも毎日通う
Aさんは上司に報告します。
「もう来るなって怒られました。」
Aさんは理由が分かっていないようですが、もちろん上司はその理由を分かっています。
上司「あれ、おかしいね。いままでとても優しかったんだろ?もしかしたら機嫌が悪かったのかもしれないね。まあ、明日になったら機嫌も直っているし、また言ってみなよ。」
Aさん「わかりました!」
素直なAさんは、上司からそう言われるとすぐに信じてしまうのでした。
次の日またもや蕎麦を食べに行くAさん。
一応お客様なので店の中に入れて蕎麦を食べさせてくれるそうなのですが、昨日までのようなご主人や奥さんとの会話はありません。
しかし、上司に言われたように再び蕎麦を食べ続けます。
もちろん涙も出てきます。しかし、上司に言われたことなので持ち前の素直さで涙を流しながら毎日蕎麦を食べ続けるのでした。
Aさんは上司に「今日も怒ってました!」と毎日報告します。
『あ、そう。不思議だね~。でも、明日にはなおってるよ!』というと、素直に信じてしまうのです。
どんなに嫌われても、嫌われていることに気がつかない。上司から言われたことは信じてしまう。
この素直な性格を持った究極の人材しか、店舗開発部の「伝説のフォワード部隊」を勤めることはできないのです。
※ちなみに、お店に入れてくれないパターンもあるらしいのですが、
大抵は「蕎麦を食べに来ただけ」と言えば食べさせてくれるようです。
私の解釈では、フォワード部隊の方々は、
どう考えても悪いことを考えていないような素直な方なので、
邪険には扱えないのではないでしょうか?
↓こんな人たちですから...。

[STEP4]目的達成。バトンタッチ。
毎日泣きながら蕎麦を食べ続けるAさん。
あとは我慢くらべです。
泣きながら毎日健気に蕎麦を食べるAさんを見て可哀そうになり、
「わかったから、話だけは聞いてあげるから」という台詞を
ご主人から引き出したらAさんの役割は終わりです。
次の日、店舗開発部の別の社員がその蕎麦屋を訪れ、
フランチャイズについての説明をするそうです。
競合他社が決して出店できない場所に出店できたことが
その会社が急激に成長できた理由だとか。
話も聞こうとしない店の頑固なご主人に
話を聞いてもらうためだけに存在する「フォワード部隊」。
この究極の役割分担こそが、
会社が成長した理由といっても過言ではないでしょう。
※コメント欄を見た上での追記
このような人材の活用方法がすばらしいとはまったく思っていません。
ただ、話としては「そんなこともあるんだなあ」と面白かったので
ご紹介しました。
しかし、それを面白がる神経がすでに間違っている、
というご批判は正しいと思います(笑)。
柴田史郎
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人の使い方がブラック過ぎ&用いている戦略(もはや戦略ですらない)古典的過ぎて椅子から転げ落ちました。
人の使い方として正しくない上に情に訴えかける事によって突破口を開こうとする戦略の一体何処が良いのか理解出来ません。
こんな事例を得意げにブログで紹介している時点で「この程度の企業なのか」とクライアントから見放されますよ。
土下座して謝罪をすれば良いとか思ってそうですけれどねwww
こんな奴らや、紹介する連中も大嫌いだな
コメントありがとうございました。
おっしゃる通りですね。
まるで推奨しているような書き方をしてしまいました。
正直なところ、こんなやり方は好きではありません。
(ぜったい働きたくない)
でも、面白い話だなとは思ったので、紹介させていただきました。
個人的には“古典的過ぎ”というululunさんのご意見に同意です。人としては最低ですけどね。ただ、そこまで徹底してやっている連中がいたのか!という点が非常に驚きですね。とはいえ今回の記事は、ブランディングとはまったく無関係なものなので、申し訳ありませんでした。
確かに、「ブランディング」と関係あることをかくという縛りを忘れてました!
重ねてお詫び申し上げます。