『戦略』をシンプルに解釈してみる。 -書評- 事例でわかる!ブランド戦略【実践】講座

この記事のジャンル ブランド作りのコツ


ども。イチケン、森山大朗です。


先日、自民党の政権公約(マニフェスト)を目にしたのですが、その『成長戦略』という言葉にピンと来ませんでした。

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自民党が総選挙に向けた政権公約(マニフェスト)を発表した。民主党との対比で最も鮮明なのは、成長戦略1つの項目(経済成長政策)として掲げている点だ。その中でうたわれているのは「引き続き大胆かつ集中的な経済対策を講じ」ていくことで、「2010年度後半には年率2%の経済成長を実現する」という目標だ。
(ロイターブログ『討論×闘う』からの引用)
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この「戦略」という言葉が、なんだか浮いて見えて仕方ないんですね。。。最近、「戦略」という言葉が軽く使われ過ぎているのではないか?そんな気がして。

そこで、「●●戦略」と名が付くものをかたっぱしから調べみたんです。以下に並べてみましょう。


・国家戦略
・外交戦略
・経営戦略
・営業戦略
・広告戦略
・マーケティング戦略
・採用戦略
・人事戦略
・モチベーション戦略
・財務戦略
・撤退戦略
・エコ戦略


種類、多っ!!
ここまで来ると、もう、やること成すこと、全部戦略じゃないかと思われてきますね。


あ、ちなみに、企業ではなく個人の生き方に関わる戦略も沢山ありました。

・出産戦略
・育児戦略
・受験戦略
・就職戦略
・キャリア戦略
・結婚戦略
・離婚戦略
・相続戦略

面白いですね(笑)人はこんなにも、戦略ばかり考えて生きていかなければならないのかと。


で、ひとつ気がついたんですが、上記の「戦略」の部分に、代わりに「~を上手くやる」とか、「大作戦」とかを入れてみると・・・・なんと!意味が通じてしまいました。と、いうことは、もし会社の誰かが「戦略」とか大げさな言い方をしていたとしても、たいした意味はないのかもしれませんよね。


そもそも、「戦略」という言葉の語源は、英語の「strategy」ですが、このストラテジーという概念は非常に広く、「戦略」ではなく「方策」という訳語の方が妥当だったのではないかとも言われているそうです。

そこで、語源のstragetyから一旦離れて、日本語の「戦略」という言葉の成り立ちから、この概念の本質に迫ってみたいと思います。


「戦略」とは「戦い」「略する」と書いて戦略です。


※サイトの読者から「略とは、省略することそのものではなく、単に『はかりごとをする』、という意味だよ」とのご指摘がありました。確かにそうですね。ありがとうございます。もともと、戦を上手に進めるために、色々と考えるという意味だそうな。

で、ここでは一旦、この「略」を「省略」の意味で当てはめて考えてみましょう。

すると、戦いを省略することができないアプローチは、戦略とは呼ばないということになります。

例えば、「営業戦略」という言葉を使う時には、営業において「戦いを省略できるかどうか」という視点がなければダメだということで、ただ「根性が足りない」とか「モチベーションを上げろ」とか言ってるだけでは、それは営業の一部ではあるかもしれないけど、戦略ではない、という風に考えることができます。

この『省略』という意味で考えるアイデアについては、以前、消費材ブランディングの専門コンサルタントである水野与志朗さんとお会いした際に、教えて頂いた考え方がわかりやすいです。


戦略には2つしかない。
 戦略1...競争戦略
 戦略2...新カテゴリー創出戦略


ただ、これだと概念的に「本当にこれしかないのか?」という疑問が沸いてくると思いますし、戦略の説明に戦略という言葉を使ってしまうとワケがわからなくなってしまうので、納得感を高めるために、自分流にアレンジしてみます。


戦略には2つしかない。
 戦略1...ケンカはするけど、早く終わらせる。
 戦略2...ケンカをしないで済む方法を考える。


会社は事業ごとに、あるいはエリアごとに、このどちらのアプローチを取るのかをまず選択する必要があります。なぜならこの2つは、どちらも「戦いがない」という状態を作ることができるけれども、それぞれまったく異なるアプローチだからです。


■戦略1...大企業あるいは資本力がある企業向けのアプローチ。

戦略1で行くことを決めたら、ためらわずに徹底的にやらねばなりません。ターゲットとなる顧客の特性を洗い出し、価格面でも、機能面でも、ライバルに負けてはいけません。優位に立つのです。なぜなら、戦略1が目指すべきゴールは「ライバルの消滅」あるいは、「ライバルが瀕死」の状態だからです。そのためであれば、利益が出ない状態を3年も5年も続けることもありえます。なぜそこまでするかというと、ケンカを早く終わらせなければ戦略が実現できないからです。そういう意味で、このアプローチは戦いを無くすために、戦う相手そのものをやっつけるという考え方なんですね。

マイケル・ポーター教授の「競争戦略」は、この戦略1と戦略2のどちらも含めた総合的な考え方ですが、どちらかというと戦略1の方に主眼が置かれています。そしてなぜそういった手引きが必要かというと、多くの企業が戦略1を基本戦略に選んでいるにも関わらず、その実行が不徹底だからです。


■戦略2...中小企業向けのアプローチ。


戦略2で行くことを決めた企業は何をしなければならないか。

まず、業界内の主なライバルの特徴と顧客への提供価値を徹底的に洗い出します。そして、自社のそれと比較して、類似点を見つけ出します。そして、その類似点のうち、捨てるべきものはバッサリと捨てて、ライバル企業が手薄になっている点を集中的に際立たせる。あるいは、ライバルがまったく持っていない新たな価値を付け加える。そうすることで価値のメリハリを付け、「ライバルとケンカする理由そのものを消滅させる」というアプローチです。要するに、「私と君では、まったくキャラが違うから、争っても意味がないよね」という状態を作り出すということです。

マイケル・ポーター教授の「競争戦略」においても、この戦略2は「差別化戦略」という言葉で触れられていますが、その実現方法については多くは語られてはいません。この分野については、フランスのビジネススクールINSEADのW・チャン・キム教授と、レネ・モボルニュ教授がまとめ上げた「ブルーオーシャン戦略」が詳しいですね。

そして、僕たちは基本的に、この「戦略2」で生きていくことを決めた連中なのです。

もちろん、新しい市場もやがては競合が増え、「戦略1」を取らなければならない時は来るのですが。



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コメント

  • 匿名 2009.08.04 18:09

    「戦略」の「略」は、「はぶく」の意味ではなく「謀る はかりごとをする」の方の意味では?
    http://ja.wiktionary.org/wiki/%E7%95%A5

  • Author Profile Page author2 2009.08.06 09:59

    コメントありがとうございます!ご指摘の通りですね。『略』そのものには、『謀る はかりごとをする』の意味なので、略=省略と考えるのは間違いでした。誤解を生むといけないので、記事の内容も、ご指摘の点を反映して『略=省略』という意味を当てはめて考えてみると、こうなる。という文脈に変更しました。ありがとうございます。

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