ブランドについて考える in長崎 その2 【反動編】

この記事のジャンル 自分ブランドを生きよう

ども!森山大朗です。


先日に引き続き、長崎旅行も2日目。


父の出身地ということで、そのルーツに触れるべく訪れた長崎ですが・・・・・


ひょんなことから、あの軍艦島(長崎県の端島)に行ってきました。


Nagasaki_Hashima.gif

端島(はしま)とは、長崎県長崎市(旧高島町)にある島である。かつては海底炭鉱によって栄え東京以上の人口密度を有していたが、閉山とともに島民が島を離れ、現在は無人島である。その外観から軍艦島(ぐんかんじま)の通称で知られている。
(Wikipediaより)


強烈な波で船酔いになりそうになりながら、なぜこんな廃墟にわざわざ足を運んだのか、自分でもよくわかりません。


でも、なんだか、どうしても行きたくて。
(^。^;)

gunkan_1.jpg


かつて「廃墟萌え」とか言われて、異端視されていたこのトライブですが、僕の見方はちょっと違います。


ちょっと変わった人達だよねーとかそういうレベルじゃなくて、これは日本人全体に受け継がれた感性なのではないか。


廃墟好きの根底にあるもの。それはわびさび(侘び寂び)なのではないか、というのが僕の仮説です。


まさに滅びの美学というか。


かつて精一杯に生き、その本命を全うして今は静かに眠っている有り様。そこに、そこはかとなく感じられる美しさ。


それが、廃墟に魅せられる人の根底にあるものだと思えてならないのです。


gunkan_2.jpg
※かつて三菱の幹部社員の社宅だった3号棟


一言にわびさびと言っても、「わび」と「さび」は違います。

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侘(わび、侘びとも)とは、動詞「わぶ」の名詞形で、その意味は、形容詞「わびしい」から容易に理解されるように「立派な状態に対する劣った状態」となる。
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立派な状態ではない、粗末な状態であり、簡素な有り様ということ。もともとは、良い状態を指していなかったそうですが、禅僧などによって、むしろ良い意味として海外に広まっていった感性なのだとか。

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寂(さび、寂びとも)は動詞「さぶ」の名詞形で、本来は時間の経過によって劣化した様子(経年変化)を意味している。転じて漢字の「寂」が当てられ、人がいなくなって静かな状態を表すようになった。
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これは・・・古いとか寂しいということに、むしろ価値を置いているということですよね。


そして、前者の「侘び」という、日本を代表する独特な美意識に当てられた英語は、これ。

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岡倉天心の著書The Book of Tea(『茶の本』)の中では"imperfect"という表現が侘をよく表しており、同書を通じて世界へと広められた。

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とのこと。


おおお!!まさに「不完全のちから The Power of Imperfect」ではないですか!!


完璧ではない有り様。
偏りがある状態。
不完全な形


そういった存在に、美を感じる国民性があるんですね。きっと。


gunkan_4.jpg
※丘の頂上に聳え立つ1号棟。端島神社の本殿。


軍艦島は、今は廃墟であることから心霊スポットのように見られて何かと悲劇的なイメージで捉えられがちですが、それとは違った一面も持ち合わせていました。


良質の石炭が大量に産出した軍艦島は景気が良かったのです。景気が悪い所に、人はわざわざ集まったりしません。


幼稚園や小中学校などの教育施設はもちろん、映画館やプールにテニスコート、パチンコ、クラブハウスや居酒屋、雀荘まであったのですから。


ピーク時には、あの狭い島に約5000名が暮らしていたそうで、当時の一人当たり面積は、現在の東京都の約9倍にも上ったそうです。


gunkan_3.jpg
※小中学校である70号棟(右側)


軍艦島はまさに、石炭を掘る事だけに特化した島だったわけです。


そして、石炭から石油へとエネルギーがシフトした時から、この島の存在意義は徐々に薄れていきました。


今、軍艦島には別の価値が見出されてきています。世界遺産への登録や上陸・周遊クルーズなども復活し、観光スポットとして新たな使命を負っているかのようです。


ここに、ブランディングの負の側面が隠れていると思いませんか?


何かに絞り込んで特化すればするほど、確かに一瞬わかりやすくなります。


しかし、そのことで高まるリスクもあるということです。それを覚悟してのぞまないと、思わぬしっぺ返しが待っている可能性もあります。


何かに専門特化するればするほど、その需要が何かに取って変わられたり、需要そのものが消滅したりした時に、市場と一緒に消滅の危機を迎えるということです。


また、業界や業態といった、すでにある枠組みの中で「わかりやすい化」を図っても、時代の流れと共に必要性が薄れていってしまうという現実からは逃げられません。


軍艦島は、そういうことを教えてくれている気がしました。

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